台湾ふしぎ発見記(井坂ゆかり)Mystery Discovery in Taiwan!– by Yukari Isaka 筑波大学 医学インターナショナルオフィスのニュース記事です。

台湾ふしぎ発見記(井坂ゆかり)Mystery Discovery in Taiwan!– by Yukari Isaka

〜 国立成功大学で見つけた“つくば”と歴史〜

2026年3月18日から21日にかけて、筑波大学看護科学学位プログラムの教員3名で、台湾・台南市にある国立成功大学(National Cheng Kung University, NCKU)を訪問しました。今回の訪問では、今後の学位プログラム間の連携に向けた打ち合わせを行うとともに、看護分野の教員同士のミーティングや病院・関連施設の見学を通して、教育・研究・臨床の各側面から交流を深める貴重な機会となりました。

訪問した3月の台南は、天候にも恵まれ、とても過ごしやすい季節でした。やわらかな日差しの中、街全体にどこか穏やかで開放的な空気が流れており、初めての訪問でありながら、自然と肩の力が抜けるような心地よさがありました。


実際に国立成功大学のキャンパスに足を踏み入れて、まず驚いたのは、その広さと自然の豊かさです。緑が多く、のびやかな空間が広がるキャンパスの雰囲気は、どこか筑波大学を思い起こさせるものでした。さらに印象的だったのは、キャンパス内を自転車で移動する学生たちの多さです。広いキャンパスを自転車で軽やかに行き交う姿は、まるで筑波大学にいるかのようで、「ここは本当に台南?」と思ってしまうほどでした。異国の大学でありながら、不思議と“つくばらしさ”を感じたことは、今回の訪問の小さな発見のひとつでした。


滞在中は、看護分野の教員同士で教育カリキュラムや今後の連携の可能性について意見交換を行い、附属病院やロングタームケア施設の見学もさせていただきました。国や制度が異なっても、看護教育の質を高め、次世代の人材を育てていくという目標は共通しており、国際交流の意義をあらためて実感しました。こうした対話は、今後の学生交流や共同研究、さらには教育プログラムの発展にもつながる可能性を感じさせるものでした。


ロングタームケア施設で特に印象的だったのは、壁に掲示されていた「高齢者が懐かしいと感じる食べ物」のイラストです。大根餅、台湾かき氷、そして仙草ゼリー。食を通じて記憶や会話を引き出す工夫に、看護ケアを感じました。なかでも私は仙草ゼリーが大好きだったこともあり、思わず嬉しくなってしまいました。ちなみに、台湾滞在中は毎食後に“おおよそ1リットルはあるのでは……”と思うほどのタピオカミルクティーが登場していたのですが、この掲示をきっかけに、翌日からはタピオカではなく仙草ゼリーミルクティーに変更してもらうことに。学びの多い訪問のなかで、思いがけず自分自身の大好物にも出会った、ちょっとした台南のふしぎ発見でした。

写真は 「台湾甜商店」 より、仙草ミルクティー
taiwan-ten.com

そして今回の「ふしぎ発見」は、学術交流だけではありません。国立成功大学のキャンパス内には、台南を代表する風景のひとつとして親しまれているガジュマルの樹があります。大きく枝を広げたその姿は圧倒的な存在感があり、思わず「この木なんの木、気になる木」と口ずさみたくなるような、印象的な空間をつくっていました。同行していた柴山教授が調べてくださったところ、このガジュマルは1923年に、当時皇太子だった昭和天皇が台湾視察の際に自ら植樹されたものとのこと。歴史ある木が、今もなおキャンパスの中心で学生たちを見守っていることに、思わず見入ってしまいました。

写真はウィキペディアより
このガジュマルのある「榕園(ようえん)」は、成功大学の象徴的な場所でもあり、卒業シーズンには多くの学生がここで記念写真を撮るそうです。実際に訪れてみると、広々とした木陰の空間には穏やかな時間が流れ、学術的な雰囲気の中にも、台南らしい異国情緒が感じられました。大学という場の中に、学びだけでなく、歴史や文化、そして人々の思い出が自然に重なり合っていることに、深い魅力を感じました。

また、今回の訪問では、キャンパスの正門前で教員3人で記念写真も撮影しました。さらに印象に残ったのが、NCKUオリジナルグッズのかわいさです。ロゴ入りTシャツや帽子に加え、NCKUのTシャツを着たクマのチャームまであり、大学の魅力や愛着がこうした形にも表れていることを感じました。筑波大学にも、ぜひ“UTクマ”があったらな〜と思わずにはいられませんでした。


今回の台南訪問を通して、国立成功大学との連携に向けた具体的な対話が進んだだけでなく、「似ているようで少し違う」「違うようでどこか通じ合う」大学の風景や文化にも触れることができました。学術交流は、研究や教育の発展だけでなく、自分たちの“当たり前”を見つめ直し、新たな魅力を発見する機会でもあります。筑波大学と国立成功大学のつながりが、今後さらに実りあるものになっていくことを期待しています。